おいしいお茶の入れ方
『お茶は日本人の心」とはよくいったもので、お茶を急須で入れて湯のみで飲むとほっと落ち着くものがあります。食後のお茶、ちょっと一息入れたときのお茶、和菓子のみならずお菓子全般とよく合うお茶など、飲む機会・場とも多いです。だが今の現代社会にはコーヒーや紅茶、ジュースなどお茶以外の飲み物も多く、お茶といってもペットボトルのお茶を連想する人も多いでしょう。そんな中で、やはり急須で入れるお茶の素晴らしさ、おいしさを実感してもらい見直してもらうためにもお茶のおいしい入れ方を紹介します。
煎茶の場合
- 人数分の茶碗に充分沸騰させたお湯を8分目ほど入れて冷まします。(上級茶で70℃前後、中級茶で80℃前後)
- お茶の葉を急須に入れます。3人分で6g、大さじ一杯分です。(少人数の場合1人分の量を多めに)
- 湯冷まししたお湯を急須につぎ、上級茶で40秒~50秒くらい、中級茶で30秒くらいお茶の成分が浸出するのを待ちます。
- お茶の濃さと量が均等になるように廻しつぎをして、最後の一滴まで絞りきりましょう。
絵で見るお茶の淹れ方です。参考にしてみてください。
※2煎目はお湯をついでから少し間(10秒前後)をあけて、すぐにつぎましょう。なお、1煎目を入れ終わったら急須のふたを開けて、急須の中の熱を逃がした方が中の茶葉が蒸れすぎず2煎目もおいしくいただけます。
番茶・ほうじ茶の場合
- 番茶、ほうじ茶は熱湯で入れてください。特にほうじ茶は熱湯で入れることにより香りが引き立ちます
- お茶の葉を大ぶりの急須や土瓶に入れます。3人分で8g。ほうじ茶なら大さじ大盛り2杯、番茶なら大さじ軽く2杯程度です。
- 充分に沸騰させたお湯をポットから直接急須や土瓶に入れます。
- 約15秒前後、お茶の成分が浸出するのを待ちます。
- 熱々を注ぐので、厚手の茶碗に、濃さと量が均等になるように廻しつぎをして、最後の一滴まで絞りきります。
※2煎目は熱湯をつぎ、ひと呼吸してすぐ注ぎ分けてください。なお、1煎目を入れ終わったら急須のふたを開けて、急須の中の熱を逃がした方が中の茶葉が蒸れすぎず2煎目もおいしくいただけます。
お茶を入れるにあたっての重要ポイント
- お茶の味はお茶の質、水質、お湯または水の温度、お茶葉の量、お湯または水の量、浸出時間、注ぎ方、飲む場所(雰囲気)、でかなり変わります。
- 茶葉を気持ち多めに、そして湯量を少なくすることが、お茶の濃縮した甘味・旨みを味わえる秘訣です。
- 水道水には滅菌するためにカルキが入っています。そのカルキ臭を消すため一度沸騰したらさらに5分程度沸騰させて適温にさましたものを使用してください。また浄水器の利用や、水の汲み置きなどの方法でもカルキ臭の除去が可能です。市販のミネラルウォーターを使用する場合は、硬度が比較的低いものを選んでください。
- 上級茶ほど、お湯を冷ましてほしいわけですが、お湯の温度が高ければ高いほど、渋み成分がよく浸出します。逆に旨み・甘味成分はある程度ぬるいお湯でもよく浸出しますのでお茶本来の旨み・甘味を味わって頂くためにもお湯を冷ますことは大切なポイントです。
※渋いお茶が好きという方は逆に熱湯で入れていただくことにより渋いお茶が味わうことができます。(湯温が80度以上になると苦・渋味成分がたくさん浸出します。湯温が60度以下になると苦・渋味成分は緩やかに浸出します。
- お茶は嗜好品ですので、お茶の味の好みも人それぞれです。ですのでそれぞれ自分にあったおいしいお茶の入れ方をいろいろ試して探してみるのも、一つのお茶の楽しみ方といえると思います。
淹れ方のポイントに気をつけておいしいお茶を飲みましょう。